「職業に寿命がある時代」に自分の意志で人生を生きる方法ー『革命のファンファーレ』
『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』西野亮廣著,幻冬舎,2017
この本を届けたい
- やりたいことを探している
- 一歩を踏み出すきっかけが欲しい
- お金を稼ぎたい
芸人であり、絵本作家。映画の監督やミュージカルの監督も行い、オンラインサロンも経営している。たくさんの職業を持つ著者の数々の革命。
ニュースになることも多いので、目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本書にはそんな著者の数々のテクニックも載っているのですが、今回は私が影響を受けた考え方についてご紹介します。
お金を稼ぐな。信頼を稼げ。
信頼がお金になる時代
信頼をお金に変える装置として有名なのは、著者の本でも度々登場するクラウドファンディング。
同じ企画でもすぐに100万円集まるものもあれば、1円も集まらないものもあります。この違いこそが「信頼」です。
この人の想いは本物だ。この人は嘘をつかない。この人の作る商品ならば買ってみたい。この人の取り組みを応援したい。
そんな信頼が自分の大切なお金を出すキッカケを作ります。
意思決定は「環境」に左右される
ではどうやったら信頼を稼ぐことができるのか?
それは「嘘をつかない」ことです。
シンプルに大事なことです。
嘘をつく人と嘘をつかない人、どっちが信頼できますか?
特にネット社会では、嘘はすぐにバレてしまいます。
ただ、社会人にとって嘘をつかないのって難しいですよね。
会社から言われて、ノルマをこなすためにその人に必要ではない商品をおすすめしたり、スポンサーのためにおいしくないものを全力で褒めちぎったり。
生きていくための行動で、信頼を失ってしまいます。
自分ではない何かの影響がある環境では、自分の芯を通すことは難しい。だからこそ、難しいことをやって自分を持っている人には信頼が集まります。
著者がクラウドファンディングで目標金額を達成できた理由。もちろん、手法を分析して取り組んだこともあります。ですが、一番は自分の意志を通せる環境を自ら作り出し、環境ではなく自分の意志で行動してきた結果、それが信頼につながったからです。
1つに依存しない
収入先が1つしかないと、お金を出してくれる人に逆らうのは難しいものです。著者も、テレビで芸人をやっているだけであれば、スポンサーの意向を無視することは難しかったでしょう。
ですが、絵本やオンラインサロンで別の収入源を作る(会社ではなく自分にダイレクトに課金してもらう)ことで自分のやりたいことを実現する環境を作ることができました。
大物に噛みつく(自分の意見を言う)ことも、そうすることで結果オンラインサロンのメンバーが増えるという裏づけのもとにできたことです。
業界から干されたら食べていけなくなるような状況であれば別の戦略をとる必要があったでしょう。
まず考えるな
情報を集めろ、行動しろ、そして考えろ
自分を高く見積もりすぎるな
「まず考える」人がいます。
考えるのは、考えれば答えが出ると思っているからでしょう。
でも、それって本当に?
考えて、考えて、何もせずに、やった気になって満足する。
でも何もやっていないから、また何かやらなければいけない気になって、焦る。
その繰り返しになっていませんか?
行動しないかぎりずっとその場で足踏みを続けている。
でも行動するのって怖い。
人が行動できないのはどうしてでしょう。
一歩踏み出せないのは情報が足りないからだ
一歩を踏み出せないのは勇気がないからではなく、必要な情報がないからです。
子どもの頃に一人で乗れなかった電車に乗れているのは、勇気があるからではなく、「電車の乗り方」という情報を手に入れたから。そして実際に何度も電車に乗ったからです。今では勇気なんて一つも出すことなく電車に乗ることができます。
今、行動できていないと感じているならば、その理由は情報収集をサボっているからです。ただし、情報コレクターになってしまうのも問題です。ぜひ、行動するための情報を集めてください。行動からしか得られない情報はたくさんあります。
情報を集めて、行動して、行動しながら考えて、必要な情報を集めてまた行動する。
そうすることで足踏みから前に進むことができます。
今の景色と、数歩でも進んだ先の光景は違っているはずです。
常識を疑え
絵本は一人で作るものという常識
芸人と絵本作家をやっていた著者は、ふと気づきます。
「どうして絵本は一人で作るんだろう」
キャラクターを描くのが得意な人、背景を描くのが得意な人、空を描くのが得意な人、たくさんの得意を集めたほうがいい作品ができるのではないか。
もちろん、現在それが常識になっているのには理由があります。絵本を一人で作っている理由は、お金でした。
たくさんの人を雇おうとすると、絵本の市場は小さくてお金が払えないという問題がありました。そこはクラウドファンディングという手法で資金調達をして解決。
結果、『えんとつ町のプペル』という絵本が完成しました。
そして2020年には50万部(!)2024年には70万部(!)を売り上げています。1万部売れたら大ベストセラーと言われる絵本市場では異例の売り上げです。
ネタバレすると本は売れないという常識
絵本はロングセラーなものです。
自分自分が子どもの頃に売っていた本が、今でも売られています。それはなぜか。
絵本を買うメインターゲットの人は時間とお金に余裕がないから。
絵本を読む年代の子育てをしている親御さんは、本屋に行って一冊ずつ手にとって中身を吟味するような時間はありません。かといって、適当な本を買って失敗はしたくない。そうなると、自分の読んだことのある本を子どもに買うという選択になります。
そう、絵本はネタバレすることで初めて、買うか買わないかの選択肢に入れてもらえるのです。
そのことに気づいた著者は、絵本の全文公開に踏み切ります。
当然のようにバッシングされましたが、結果は先ほどの数字のとおりです。
常識は現代の最適ではないかもしれない
常識は、常識ができた当初は最適だったのかもしれません。
お金を稼ぐ手段が本を売ることしかなかった時代は、一人で絵本を作ることが正しかったでしょう。インターネットのない時代は、そもそも全文公開なんてできませんでした。
けれど時代が変われば常識が変わります。
どうしてそんな仕組みになっているか考えて、常識よりも良い方法があるのならそれは勝機です。
終わりに
著者の言葉を引用します。
(p.306)
未来は「覚悟」に比例する。
一切の決定を自分ではない誰かに委ねた人間には、その覚悟相応の未来しか待っていない。
キミに決定権はあるか?
好きなようにやらせてもらえないことを立場のせいにしていないか?
売れない原因を環境や時代のせいにしていないか?
自分の不満を誰かが解消してくるることを待っていないか?
これまでたくさんの人を見てきたが、成功者は必ず決定権を持っている。
そして決定権は今この瞬間に持つことができる。
あとはキミの覚悟次第だ。
(中略)
キミの各見えのファンファーレを鳴らすのは、キミしかいない。
頑張ってください。応援しています。
自分の人生を、常識ではなく、環境でもなく、自分の意志で生きる。
この本と出会うことで、そんな人生を手に入れる人が増えたら嬉しいです。
必要な本と出会うことで、ぽかぽかな人生になりますように。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』西野亮廣著,幻冬舎,2017