『祖母姫、ロンドンへ行く』心が動いた1フレーズ|謙虚と卑下の違い──心に残る祖母の言葉

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『祖母姫、ロンドンへ行く』から1フレーズ
謙虚と卑下は違うものなの。
自信がないから、自分のことをつまらないものみたいに言って、相手に見くびってもらって楽をしようとするのはやめなさい。
それは卑下。とてもみっともないものよ。
掲載されている本
『祖母姫、ロンドンへ行く』椹野道流著, 小学館, 2023
あらすじ
「一生に一度でいいからイギリスに行きたい。お姫さまのような旅がしてみたいわ」
80歳を超えた祖母の一言から始まった、5泊7日のロンドン旅行。
留学経験のある孫娘(著者)は、祖母を満足させるために奔走します。
大英博物館、ハロッズ、オリエント急行、アフタヌーンティー──
憧れの場所を巡る旅は、笑って泣ける毎日の連続でした。
わがままでチャーミングな“祖母姫”と、その夢を叶えようと奮闘する孫娘。
そしてゆく先々のスタッフとの交流。
二人のやり取りはときに可笑しく、ときに胸を打ちます。
家族で過ごす時間の大切さを思い出させてくれる、
心あたたまる英国珍道中エッセイです。
謙虚と卑下の違い
謙虚と卑下は違うものなの。
自信がないから、自分のことをつまらないものみたいに言って、相手に見くびってもらって楽をしようとするのはやめなさい。
それは卑下。とてもみっともないものよ。
そしてその後にこう続きます。
楽をせず、努力をしなさい。
いつも、そのときの最高の自分で、他人様のお相手をしなさいよ。
オシャレもお化粧も、そのために必要だと思ったらしなさい。
胸を張って堂々と、でも相手のことも尊敬してお相手をする。
それが謙虚です。
力強くも温かい、祖母から孫娘への激励の言葉です。
一緒に暮らしていたわけではないため、旅の後は少し距離ができてしまったようですが、それでもこの言葉たちは、著者の胸に深く残りました。
エッセイを書くために旅を振り返りながら、『私の卑屈な性根を叩き直してくれた』と語っています。
努力に裏打ちされた、自己肯定感を上手に育てられてきたお祖母さまの言葉です。
私も「卑屈」と「謙虚」を間違えないようにしたいです。
