【ぽかぽかマネー読本】⑤『お金の減らし方』って何?“自分の欲しい”を考えるヒント【森博嗣】

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はじめに:『お金の減らし方』
今回ご紹介したいのはこちら
『お金の減らし方』です!

『お金の減らし方』? また思い切ったタイトルだな。今の世の中、求められてるのは“増やし方”のほうだろう?

それがですね、この本、もともとは“お金の増やし方”について書いてほしいと頼まれていたらしいんです。

なのに“減らし方”……? 書いたのはずいぶん天邪鬼な人みたいだな。

ふふ、でもそこが森博嗣さんらしさでもあるんですよね。
“お金をどう減らすか”って、その人の価値観や生き方がすごく表れるって、丁寧に綴られていて……
私は読みながら何度も立ち止まっちゃいました。

増やすことばかり考えてたけど、使い方……減らし方にこそ、自分らしさが出る、か。

今日は、そんな“お金の減らし方”について、いっしょに考えてみませんか?

紹介する本:『お金の減らし方』新版
『お金の減らし方』新版, 森博嗣著, SBクリエイティブ, 2024
著者紹介:森博嗣(もり ひろし)さん
ミステリー作家として活躍する森博嗣さん。
押井守監督によって映画化された『スカイ・クロラ』シリーズの原作者であり、元・国立大学の工学部助教授という異色の経歴の持ち主です。
庭に鉄道を敷く資金を稼ぐために小説を書き始めたそうです。
独自の哲学とユーモアで多くの読者を魅了しています。
こんな人におすすめ
- お金の使い方に悩んでいる
- 「お金を増やす」ことに疲れてしまった
- 自分の本当に欲しいものが分からなくなっている
- お金と人生の関係を根本から考え直したい
お金は減らす(=使う)ときにこそ価値がある
改めて見ても、“お金の減らし方”?タイトルからして逆を突いてくるな……。

ですよね。でも読んでみると、“ああ確かに”ってなるんです。お金って、持っているだけじゃ意味がないんですよね。

森博嗣さんは、本書の中でこう問いかけています。
「お金を“持っている”ことに、どれほどの意味があるのか?」
たとえば、どれだけ貯金があっても、何も買わず、何も経験しないまま人生を終えたら、それって“価値がある”って言えるでしょうか?
お金は、価値のある何かと交換して初めて意味を持つ。
つまり、“減らす”ときにこそ、その人の人生観や価値観が現れるのです。
……確かに。『これを買った自分が好きか?』みたいな問いは、貯めるときよりもずっと本音が出そうだな。

他人の基準でお金を使ってない?
ふと、「なんでこれ買ったんだろう」って思うこと、ありませんか?
セールだったから。友達が持ってたから。SNSで話題だったから。
そんなふうに選んだものが、心の底から嬉しかったかというと……ちょっと首をかしげてしまうかもしれません。
本書では、こんな問いが投げかけられます。
「もし、誰にも見せられないとしたら──それでも、それを買いますか?」
私たちはつい、
「これを持っていたら良く思われるかも」
「流行ってるし、みんなが使ってるから」
という“他人の目”を基準にしてしまいがちです。
でもそれは、誰かの価値観に合わせた消費。
その先にあるのは、“本当の満足”ではなく、“なんとなく買ったけど、気持ちが満たされない”という感覚かもしれません。
誰かの基準じゃなく、自分がほんとうに欲しいものに、お金を使えているか。
それを考えるだけでも、お金の減らし方が少しやさしく、あたたかいものに変わっていく気がします。
自分だけの基準で買い物をするって、難しそうだけど楽しそうでもあるな。

自分の心に問いかけて、自分にとっての“本当に欲しいもの”を見つけていきましょう。

自分の「ほんとうに欲しいもの」で、お金を減らそう
森さんはお金があまりないときでも、「必要なものは最低限にして、欲しいものを買う」というスタンスを徹底していました。
食べるもの、住むところ、生活に必要な最低限の道具たち。
そこにプラスするのは自分の心を満たすアイテムや経験。
本当にほしいのは、「自分が幸せになれるもの」。
それは人によって違っていていいし、誰かの正解じゃなくていい。
たとえば、ちょっと高いけど毎朝気分が上がるマグカップ。
遠くても会いに行きたい人との時間。
自分のペースで本を読む静かな夜。
それはどれも、「生きていてよかった」と思える瞬間につながっています。
お金を減らすって、ただ無くすことじゃなくて、
“自分の人生を豊かにするために、大切に使っていくこと”。
だからこそ、まずは「これはほんとうに、私の欲しいもの?」と問いかけてみてください。
必要なものは“揃える”けど、欲しいものは“選ぶ”んだな。

まとめ:”本当に欲しい”を見つけよう
……本当に欲しいものって、意外とすぐには答えられないものなんだな。

そうですね……「これが好き!」って気持ち、大人になるとちょっと遠くなってしまうのかもしれません。
でも、だからこそ。ゆっくり、自分に問いかける時間を大切にしたいなって思いました。

お金をどう減らすか――って、ちょっと奇抜に聞こえるけどさ。
結局は、「自分の時間や想いをどう大切にするか」ってことなのかもな。

はい。何にお金を使ったかは、自分がどんなふうに生きてきたか、という記録でもある気がします。
「これは、いい使い方だったな」って思える選択を、重ねていきたいですね。

よし、今度何かが欲しいって思ったら、ちゃんと「それ、ほんとに自分のためか?」って考えてみる。
見栄じゃなくて、本音で選ぶ練習だな。

とっても素敵です。
私も、自分の“好き”を見失わないように、お金とのつきあい方を見つめなおしていきたいと思います。

お金を「減らす」ことは、自分を知ること
今回は、森博嗣さんの『お金の減らし方 新版』をもとに、こんなことをお伝えしました。
- お金は「減らす(使う)」ことでこそ価値が生まれる
- 他人の目ではなく「自分の基準」でお金を使おう
- 本当に欲しいものを見極めることが、人生の満足につながる
- 必要なものは最小限にして、欲しいものにお金を使おう
お金を使うとき、私たちはいつも「小さな選択」をしています。
その選択が積み重なって、自分らしい暮らしや幸せが形づくられていくのだとしたら……
お金の「減らし方」って、けっこう大事なことかもしれません。
もし、まだ自分が欲しいものがわからなくても大丈夫。
「これ、ほんとうに欲しいかな?」と、少し立ち止まって考えるだけでも、
お金の使い方は、すこしずつ自分のものになっていきます。
その過程もふくめて、自分再発見を楽しんでいきましょう。

次回予告:特集まとめ
次回は【ぽかぽかマネー読本】で紹介した本をみんなで振り返ります。
お楽しみに!

参考文献
『お金の減らし方』新版, 森博嗣著, SBクリエイティブ, 2024