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【ぽかぽかマネー読本】① 貯金しているのに不安なのはなぜ?お金の基本をやさしく学べる1冊

ぽかぽかマネー読本②
でこポンヌ

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※本記事では、お金の制度や金融商品の詳細な説明は行いません。あくまで“考え方のヒント”として、やさしく読める本を紹介しています

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2025年6月特集【ぽかぽかマネー読本】──お金と安心の、やさしい関係
2025年6月特集【ぽかぽかマネー読本】──お金と安心の、やさしい関係

はじめに

でははじめにこんな本はいかがでしょう?
『貯金すらまともにできていませんが、この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』です。

でこポンヌ
でこポンヌ

タイトル長っ。……でも、たしかに正直でわかりやすいな。

スカイ
スカイ

はいっ! 将来の不安に寄り添ってくれている素敵なタイトルですよね。
困っている人が「私のことだ!」と手に取りやすくて。

でこポンヌ
でこポンヌ

貯金ゼロからなんとかなるのか? とは思うけど、「この先ずっとお金に困らない方法」があるんだったら知りたいな。

スカイ
スカイ

ふふ、興味をもってもらえて嬉しいです。
それでは、どんな本なのかご紹介しますね!

でこポンヌ
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紹介する本

『貯金すらまともにできていませんが、この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』, 大河内薫著 (漫画)若林杏樹著, サンクチュアリ出版, 2021

著者紹介:大河内薫さん(税理士)

大河内薫(おおこうち・かおる)さんは、税理士として活躍しながら、「お金の教育を広めたい」という思いで発信を続けている方です。

コンサル会社や税理士法人などで経験を積み、独立。現在は「ArtBiz税理士事務所」を開きながら、YouTubeやラジオアプリなどで、税金やお金の話をやさしく伝えています。

特に注力しているのが、「日本にお金の教育を根づかせること」です。全国の学校で無償授業を行ったり、SNSや書籍を通して、お金の知識をわかりやすく広め「お金のことをもっと自由に話せる社会」を目指しています。

今回ご紹介する本は、「お金のことがよくわからない」と感じている人に向けて、基本からていねいに解説された一冊です。知識がなくても心配いりません。「まずは知ること」から始めたい方にぴったりの本です。

著者紹介:若林杏樹さん(漫画家)

若林杏樹(わかばやし・あんじゅ)さんは、漫画家・イラストレーターとして活躍されているフリーランスのクリエイターです。「あんじゅ先生」という名前でも親しまれています。

実用書や健康、ライフスタイルに関するテーマを、やさしく、時にユーモアを交えながら伝えるのが特徴です。

「難しい話こそ、楽しく笑って理解してほしい」
若林さんの漫画には、そんな願いが込められています。

こんな人におすすめ

  • お金のことを考えるとモヤモヤするけれど、何から始めればいいかわからない方
  • 保険や年金など「毎月払っている制度」の中身をざっくり知っておきたい方
  • 将来への不安を、“がんばる”より“少し知る”ことでやわらげたい方
  • 難しい話は苦手だけど、マンガでゆるっと学べる本なら読めそうだと思った方

※本書に登場する制度やデータは、出版当時(2021年)の情報にもとづいています。
制度の詳細や数字については、最新の情報をご確認ください。
ただし、この本の「考え方」や「お金との向き合い方」は、今読んでも大切にしたい視点として、自信を持っておすすめできます。

「貯金しているのに不安」

──その理由は、“お金が減っている”からかもしれません。

「無駄遣いはしていないし、ちゃんと貯金もしている。なのに、なんとなく不安が消えない」
そう感じたことはありませんか?

もしかすると、その不安はあなたがうすうす気づいている「ある事実」からきているのかもしれません。

それは──
貯金をしているのに、お金の価値が少しずつ減っているということです。

インフレとは、「同じ100円で買えるものが減っていく」こと

最近、スーパーやドラッグストアで「前より高くなったな」と感じることが増えていませんか?
テレビでも連日のように「値上げ」のニュースが流れています。

これは「インフレーション(インフレ)」と呼ばれる現象で、
モノやサービスの値段がゆるやかに上がり続ける状態を指します。

たとえば、以前は100円で買えたパンが、120円になっている。
見た目では「20円高くなった」だけに見えますが、
実は「100円の価値が、パン1個分の価値より下がってしまった」とも言えるのです。

なぜ物価が上がるの? どうして止まらないの?

物価が上がる理由はさまざまですが、主な原因は次のようなものです:

  • 原材料やエネルギーの価格が上がる
     → 海外の影響や円安で、輸入コストが増える
  • 人件費の上昇や、供給不足
     → お店の仕入れ価格が上がり、販売価格も上がる
  • お金の流通量が増える
     → 世の中にお金がたくさん出回ると、相対的に価値が下がる

一度始まったインフレを個人で止めることはできません。
だからこそ、「物価は上がっていくもの」という前提で、お金の持ち方を考える必要があるのです。

貯金だけでは不安が消えない理由

日本の銀行の普通預金金利は、0.001%前後がほとんど。
100万円を1年間預けても、利息はたったの10円程度です。

いっぽうで、物価が年に2%ずつ上がっていけば、
貯金しているだけで「実質的な損」をしていることになります。

知らないまま貯め続けると、
「数字は増えているのに、暮らしは苦しくなる」という状態が起きてしまうのです。

知ることで、不安を「対策」に変える

この本では、
「なぜ貯金だけでは足りないのか?」
「インフレってなに? どうして損をしてしまうの?」
といった疑問に、図やたとえ話を使ってやさしく答えてくれます。

インフレは止められません。でも、学ぶことで“どう備えるか”は変えられます。
少しずつ、“わからない不安”を“動ける安心”に変えていきましょう。

安心の材料の1つになるのが、社会保険制度。次は毎月税金としてたくさん払っているのに、意外とよく知らない「制度の仕組み」についてお伝えします。

制度のしくみって、意外と知らないもの

毎月、給料や明細を見るたびに「けっこう引かれてるな」と思う人も多いかもしれません。
でも、それが何に使われていて、自分にどう関係あるのか──
きちんと理解している人は、意外と少ないものです。

その中でも、知らないと損をしやすいのが「医療費」に関する制度です。

「病気になったらどうしよう」
「入院したら、いくらかかるのかな」
そう考えると、不安になってしまって、
つい手厚い保険にたくさん入ってしまったり、
「よくわからないけど大事そう」と感じたサービスをなんとなく続けてしまったり……。

不安を減らすためにしているはずの行動が、
実は「思い込み」や「知らなさ」から来ていることもあります。

実は、医療費には“上限”がある

日本には「高額療養費制度」という仕組みがあります。
これは、月の医療費が一定額を超えると、超えた分はあとから戻ってくるという制度です。

たとえば、入院して30万円の医療費がかかったとしても、
実際に自己負担するのは、収入に応じて6〜8万円程度で済むケースが多いのです。

この制度があることを知らないと、
「何があるかわからないから、手厚い医療保険に入っておこう」と考えがちです。
でも、公的な制度の範囲を知っていれば、
「民間保険は必要最低限でいいかもしれない」と考えることもできます

「損をしないために知っておく」から、「安心するために知っておく」へ

他にも、税金や年金など、知らないと損をしやすい制度はたくさんあります。

「払うもの」だと思っていたものが、実は「守るための仕組み」だとわかると、
お金に対する見方が少し変わってきます。

制度の知識が、“生活の安心感”になる。

全部を覚える必要はありません。
でも、「そういえば、医療費には上限があるって聞いたことがある
そのレベルの知識でも、いざというときには心強い味方になります。

“ちょっとずつ知る”ことから始めよう

制度や仕組みの話になると、どこかでふと「むずかしいな」「全部覚えないといけないのかな」と感じて、気持ちが重くなってしまうことはありませんか?

でも、安心を得るのに、すべてを完璧に理解する必要はありません
ほんの一部でも「知っていること」が増えるだけで、不安は少しずつ和らいでいきます。

「知らなかったことを、ひとつ知る」だけで視界が変わる

たとえば、「医療費には上限がある」と知ったとき、
それだけで「もしものときも、なんとかなるかもしれない」と思えたかもしれません。

この“なんとかなるかも”という感覚が、とても大切です。
お金のことは、“正解をすべて知る”のではなく、
「どんな選択肢があるのか」「自分に合った備え方はどれか」を見つけることが大事です。

投資の話も出てくるけれど、「知っておく」だけでいい

この本では、つみたてNISAやiDeCoといった制度についても紹介されています。
ですが、今この段階で「すぐに始めなくちゃ」と思う必要はありません。

「投資が怖い」という気持ちはまだ投資をする心の準備ができていないということ。

「そんな仕組みがあるんだ」
「これから調べてみようかな」
そのくらいのスタンスで、十分です。

もし興味が出たら、1000円くらいの少額ではじめてみるのもいいかもしれませんね。

漫画を楽しみながら知識をつけるきっかけに

毎日忙しくて、将来のことまで考える余裕がない。
それでも、ふと不安がよぎる──そんな気持ち、とても自然なものです。

この本は、お金の基本的な仕組みを、やさしい言葉とマンガでていねいに解説しています。不安に「大きな答え」を出そうとするものではありません。
ただ、「そうだったのか」「それならできるかも」と思える小さな気づきが、
やさしく重なっていく、そんな読書体験を届けてくれます。

おわりに

……なんというか、知れば知るほど「知らなかったなぁ」って思うよ。
まだ何も解決していないけど、「知らないことを知れた」というか、それだけでちょっとスッキリした気がする。

スカイ
スカイ

「不安」って、敵みたいに思われがちですけど、
実は「ここに目を向けてね」って、そっと教えてくれてるのかもしれませんね。

でこポンヌ
でこポンヌ

そっか……“不安はお知らせ”ってわけか。
不安から目をそらさずに、向き合わないとな。

スカイ
スカイ

不安なことを考えるって、ちょっと怖かったり、億劫だったりするかもしれません。
ですが、”知る”と世界が広がる気がするんです。本でそのお手伝いができたら嬉しいです。

でこポンヌ
でこポンヌ

確かに、自分で知って、考えるって大事だよな。
今日知ったことで、明日はもう少しだけ、安心に近づけそうだ。

スカイ
スカイ

毎日ちょっとずつ安心が増えていく。そうなったら、とても素敵ですね。

でこポンヌ
でこポンヌ

まとめ

貯金をしているのに不安になる──
その気持ちは、決して特別なものではありません。
知らなかったことに気づき、少しずつ知っていくことで、
「何がこわかったのか」「どうすれば安心に近づけるのか」が見えてきます。

今回ご紹介した本は、「まずは知ってみよう」と思えたその瞬間に、
そっと背中を押してくれる一冊です。

すぐに完璧を目指さなくても大丈夫。
ひとつ知れば、ひとつ安心に近づける──
そんな“やさしいお金の知り方”を、これからも一緒に探していきましょう。

次回予告:【ぽかぽかマネー読本】②
がんばらない節約って、できるの?

節約って、なんだか「がまん」や「努力」のイメージがありませんか?
でも実は、“仕組みを見直す”ことでできる節約もあるんです。

2週目は“がんばらない”でできる固定費の見直しや、お金の使い方の「基本」を学びます。

無理しないから、続けられる。
節約がちょっとだけ軽くなる、そんな一冊をご紹介します。

▷2025年6月8日(日)9時公開予定

参考文献

『貯金すらまともにできていませんが、この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』, 大河内薫著 (漫画)若林杏樹著, サンクチュアリ出版, 2021

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でこポンヌ
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図書館司書
年間100冊以上の本を読む現役図書館司書。 悩みごとの90%は本が解決できると信じている。
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