『旅猫リポート』心が動いた1フレーズ|別れが怖い人に届けたい言葉

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『旅猫リポート』から1フレーズ
サトルがボクを飼えなくなっても、僕は何も失わないんだ。
ナナって名前と、サトルと暮らした五年を得ただけなんだ。
それは、サトルに出会わなかったら絶対に手に入らなかったんだ。
(中略)
こんなに幸せなことって他にあるかい?
掲載されている本
『旅猫リポート』有川浩著, 文藝春秋, 2017
あらすじ
飼い主の悟と、元野良猫のナナは、一台の銀色のワゴンに乗り、日本を旅することになります。
旅の目的は、悟がナナを大切に託せる新しい飼い主を探すため。
そのために、悟はかつての友人や昔お世話になった人たちを訪ね歩きます。
久しぶりに再会する友人たちと語り合う時間、
思い出の場所で交わす何気ない言葉、
そして、ナナの目を通して描かれる、旅先での出会いや小さな出来事。
人と人とのつながりを確かめるように、ナナと悟は旅を続けます。
そして悟とナナが共に過ごす最後の時間──
大切な誰かに会いたくなる、そんな気持ちを思い出させてくれる旅の物語です。
大切な人に会いに行きたくなる1冊
サトルがボクを飼えなくなっても、僕は何も失わないんだ。
ナナって名前と、サトルと暮らした五年を得ただけなんだ。
それは、サトルに出会わなかったら絶対に手に入らなかったんだ。
(中略)
こんなに幸せなことって他にあるかい?
「出会わなければ別れずに済んだ」とは思わないナナの強さがあらわれている言葉です。
出会ったからこそ過ごせた時間があり、
その時間は、たとえ別れが来ても消えることはありません。
だからナナは、失うのではなく、
得ることができたのだと伝えてくれているのだと思います。
私たちは別れが怖くて、新しい出会いをためらってしまうことがあります。
けれど、この言葉を読んでいると、
大切な人と過ごせる時間そのものが、かけがえのない宝物なのだと気づかされます。
「出会えてよかった」と思える日々を、
これからも大切にしていきたいと感じました。
ナナとサトルが歩んだ最後の旅路を、ぜひあなたの目で見届けてください。
“こんなに別れが辛いなら、出会わなければよかった”
そう思ってしまうところを、ナナさんはしっかりと今の幸せを受け止めています。
私もそんなふうに考えられるようになりたいです。

映画版『旅猫リポート』
福士蒼汰さん主演で映画化もされています。
こちらもぜひ。